去る、6月17日付けで送付しました、知事候補宛の公開質問書に両候補

より回答が寄せられましたのでお知らせいたします。(回答順)

なお、金田候補からは6月25日に、井戸候補からは27日に回答が送ら

れてきました。

NPO法人 神戸の冬を支える会 事務局)

 

1 現在の兵庫県下における野宿者の状況についてどのように考えられておられるのかお答え下さい。

 

金田 峰生  候補

井戸 敏三  候補

ホームレスは、長期不況のもとで急増し、今や全国で3万人を越えるとも言われ、兵庫県でも947人(平成15年調査)が確認されています。食事も満足にとることができず、野宿による体調の悪化、体力の低下、衰弱から、死者まで生まれ、憲法25条の「生存権」が侵害されていると言わざるを得ない、悲惨な状況におかれています。貴団体のように、ボランティアなどによる、必死の支援活動も行われていますが、ホームレスの広がりの中で、事態はますます深刻になっており、一刻も放置できない現状にあると認識しています。
 
国は、福祉切り捨てと国民負担増、さらなる増税計画をおしすすめており、今後もホームレスが増加することは確実です。国に対して「法」に基づく具体策を求めつつ、県としても、早急に具体的な施策を講じる責任があると考えます。
 厳冬期には凍死者さえ生まれています。ホームレスに対しては、一定のプライバシーがまもられる、一息つける住居を確保することが最優先の課題です。そのために、簡易宿泊所の空き部屋を借り上げたり、公営住宅の空き部屋などの活用や、地域住民の理解と協力、ホームレスの同意を得て、緊急避難施設の建設を急ぎます。

 近年、厳しい経済・雇用情勢や少子・高齢化・核家族化等を反映し、ホームレスとなることを余儀なくされた人が全国に多数おられます。本県でも、平成16年10月時点で864人のホームレスの方が確認されており、食事の確保や健康面での問題を抱えるなど、深刻な社会問題であると考えています。

 直、平成15年調査と比較して83人減少していますが、これには、関係機関や民間支援団体の取り組みも大きく寄与しているものと思われ、関係者のご努力に敬意を表します。

 

 


2 実施計画に沿ってどのような具体的な支援施策を行おうと考えられているのかお答え下さい。

 

金田 峰生  候補

井戸 敏三  候補

実施計画の具体化の遅れを明らかにするため、@市町におけるホームレス対策で、特に現在、ネックとなっている無料宿泊所・簡易宿泊施設や更生援護相談などの問題を県として明らかにする。A県として市町への情報提供や調整だけでなく、財政的支援を行い、抜本的な対策を行う。B貴団体などNPO団体と協力して必要な対策を行うため、県として全庁的な体制の強化と、窓口機関などを県民局にも設置するなど、ひとつひとつ、具体的に進めたいと考えています。

 具体的な施策は、県の実施計画に基づき、該当する市の実施計画で示されることとなっており、神戸市に引き続き、今年度は姫路市が策定します。県は、実施計画に沿って、サラ金、DV等の専門相談や、生活保護適用に関する市町への助言を行うほか、NPO法人等による無料低額宿泊施設など一時的な住まいや生活保護による恒久的な住まいの確保、公共職業安定所や公共職業訓練校と連携した求職活動や職業訓練の支援などに対する助言なども行います。

 今後とも、国、市町、民間支援団体と連携して、ホームレスとなる恐れのある方も含め、自らの意思で安定した生活を営めるよう、総合的な支援を実施していきます。

 

 

3 野宿からの脱却、そして野宿化の予防策として雇用対策が重要と考えます。どのように考え

られているのかお答え下さい。

 

金田 峰生  候補

井戸 敏三  候補

 ホームレスの大半は、働く意欲がありながら、仕事に就くことができない労働者です。しかも、土木・建築に従事してきた日雇い労働者が多数をしめており、今日の厳しい雇用・失業情勢のもとで、一般求職者でも就職が困難ななか、働きたくても働けないのが現実です。県の責任で、都市部での公的な就労事業を臨時的におこし、生活できる賃金を保障します。
 また、ホームレスの自立支援にも効果があった特別交付金事業が、今年の3月でうち切られてしまいました。これは5年間で失業者83万人の臨時的な雇用を確保、全国自治体からの継続の要望が大きかった事業です。国に対して、今年度から開始された「ホームレス就業支援事業」が効果のあるものとなるよう、求めます。

 ホームレスの方が自らの意思で安定した生活を営めるよう、就業面での支援が最も重要です。このため、事業主等に対する啓発はもとより、求人情報の収集・提供・技能講習や職業訓練による職業能力の開発などを推進していきます。既に平成17年度からは、県下の公共職業安定所に、被保護者専門の就労支援コーディネーターとナビゲーターをあわせて7人配置し、福祉事務所と公共職業安定所が連携して、ホームレスの方や被保護者の就労促進に努めています。

 また、野宿化の予防策として、中高年求職者のミスマッチ解消や、シニアしごと倶楽部による50歳代シニアの就職支援にも取り組んでいきます。

 


4 若年層、および女性の野宿者が増加傾向にあるように思えます。新たな発想でその支援策を

構築する必要があると考えます。どのように考えられているのかお答え下さい。

 

金田 峰生  候補

井戸 敏三  候補

厚生労働省が行った生活実態調査によると、30歳未満のホームレスは、全体の4.5%(平成15年)となっており、看過できません。
 全国的に若年層の就職難は深刻です。フリーター、派遣社員、契約社員などの新しい雇用形態で働く青年も急増しています。こうした分野では、労働時間や休暇など、社会の発展のなかで確立されてきた労働者のくらしと権利をまもるルールが踏みにじられています。新しい雇用形態で働く労働者の権利を守るルールを確立することは、青年の雇用と労働条件を守るためにも、あらたなホームレスを生まないためにも大切です。
 就職先が見つかるまで臨時の仕事を提供することも、重要な施策です。臨時でも、社会に役立つ仕事で技能をみがき、人間としても成長できるよう、福祉や環境、街づくりなどの活動をしているNPOで働ける環境をつくります。失業青年がNPOで臨時の仕事についた場合、県として賃金助成などをおこなうようにします。賃金助成は各団体の要請を基本にし、自主性が損なわれないようにします。
 女性の問題では、兵庫県で、はっきりしているだけでも34名、全体の3.5%以上が女性です。女性の場合は、男性以上に利用できる施設が少なく、野宿者の現状にふさわしい施設整備が必要です。また、女性は体力的にも男性より弱く、母性保護の問題もあります。個々にていねいに相談にのり、対応策をとれるよう、特別の相談体制をとります。

 女性のホームレスの方に対しては、家庭内問問題等のホームレスとなった原因に配慮したきめ細やかな自立支援を行うことが必要です。このため、県立女性家庭センターや婦人保護施設等の関係機関とも十分連携して必要な支援を実施していきます。

 特に、DV被害者の自立を支援するため、一時保護所等から恒久住宅に移行する迄の一時入居住宅を10戸確保するとともに、社会福祉施設や民間シェルターに対する一時保護委託を20箇所に拡充します。

 また、若年層対策として「若者しごと倶楽部によるカウンセリングや職業訓練なども実施していきます。

 今後も、貴団体や国、県、市の関係機関からなる「兵庫県ホームレス自立支対策連絡協議会において、現場の意見を踏まえ、新たな対策を検討していきます。

 

 

 

 

  5 野宿者問題の解決のために生活保護制度が果たす役割は極めて重要なものがあります。し

かし、住居が無ければ保護は適用しないという違法な運用が残念ながらいまだに存在しており、

その是正は緊急の課題と考えています。生活保護行政において今後どのようなことが必要と考

えられているのかお答え下さい。

 

金田 峰生  候補

井戸 敏三  候補

 生活保護法は、憲法25条の理念にもとづいて「生活に困窮するすべての国民に必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とし、最低限度の生活とは「健康で文化的な生活水準を維持する」ものとしています。生活保護を適切に運用することは、ホームレスを救済するのに非常に大きな役割があると同時に、ホームレスを増やさないためにも極めて重要と考えています。
 平成15年7月31日付けで、各都道府県等に「ホームレスに対する生活保護の適用にあたっては、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものでないことに留意し、生活保護を適正に実施する」との厚生労働省社会・援護局保護課長通知も出されています。積極的に生活保護を適用します。また、個々の相談・援助に十分対応できるケースワーカーの増員のため、国の財政支援を強く求めます。

 生活保護は、資産、能力等を活用しても、最低限度の生活を維持できないような、真に生活に困窮している方に対して最低限度の生活を保障するとともに、自立を助けることを目的とした制度です。ホームレスの方に対する生活保護の適用にあたっては、居住地がないことや稼働能力があるからといって、保護の要件に欠けるものではありません。県内の福祉事務所に対しては、ホームレスの方に対し生活保護を適正に実施するよう指導を徹底していきます。